多様性の中の強さ
by Jessica Stickler | April, 2026
Om śri-durgayai namah(オーム・シュリー・ドゥルガーヤイ・ナマハ) すべての信奉者を守護する神聖なる母、ドゥルガー・マータに敬意を捧げます。 ~マノラマによる翻訳
ドゥルガーの「百の眼を持つ姿」、シャタークシー(Śatākṣī)は、荒れ果てた時代に地 上に現れました。彼女はそのすべての眼から涙を流し、その涙が川や海を満たしていきま した。やがて草や穀物、植物が芽吹き、魚や鳥、虫や動物たちが再び息を吹き返していき ます。彼女はまさに、春の訪れであり、大地に豊かさが戻ってくるそのものです。自然に おいて、多様性はそのまま強さであり、生態系は、お互いに関わり合いながらともに進化 していきます。これまでの進化に対する考えとは異なり、協力し合うこと、分かち合うこ と、多様であること、つながっていること、そして変化に適応する力(創造性)こそが、 本当の意味での強さを育てていきます。彼女が命の恵みを取り戻したあとも、母という存 在が、育む力と守る力の両方を宿しているのと同じように、やがてまた、地球は守られる ことを必要とするでしょう。
火葬の炎が激しく燃え上がる中、その痛みと熱の中から、悪魔マヒシャースラ(Mahiṣ āsura)が現れます。怒りに満ち、復讐を胸に。煙と死の匂いをまといながら、彼は力を 蓄え、軍勢を築いていきます。やがて世界を制圧し、その支配欲は天界へと向かい、神々 さえも恐れさせるようになります。純粋な野心の炎から生まれた彼を、一柱の神だけで倒 すことはできませんでした。神々は集い、それぞれの力を持ち寄ります。インドラの雷 (決意・勇気・力)、アグニの槍、幻を打ち破るシヴァの三叉槍、正しき意図を示すヴィ シュヌの円盤、エゴを砕く棍棒、創造と破壊を同時に宿すヴィシュヴァカルマの斧、離れ た視点と智慧を象徴するブラフマーの蓮、風の神ヴァーユの弓と矢(エネルギーと動 き)、そして識別力(ヴィヴェーカ)を象徴するガネーシャの剣。最後に、創造の音オー ムを響かせる法螺貝。ドゥルガーはこれらすべてを受け取り、創造・維持・破壊という宇 宙のサイクルそのものを体現します。
ドゥルガーは、行動の色である赤い衣をまとい、勇気の象徴である獅子に乗って戦場に現 れます。そして野心に目がくらんだマヒシャースラは、彼女の本当の力に気づきません。 その美しさに心を奪われ、力とは何か、強さとは何か、役割や序列とは何かという思い込
みの中に閉じ込められています。その傲慢さこそが、やがて彼を滅ぼすことになります。 ドゥルガーの多面的でしなやかな力は、彼のエゴ的な力や野心を軽やかに超えていきま す。この戦いとその結末によって、宇宙には再び調和とバランスがもたらされます。 「ドゥルガーは、私たちが“秩序ある世界”だと思っているものの外側にある神性を示して いる。それは、その世界の外へ一歩踏み出す勇気を持った人だけが出会えるものだ。」- Vanamali, Shakti
アドリエンヌ・マリー・ブラウンはEmergent Strategyにこう書いています。「未来の ために行動すること、現場に入って、試し、実験し続けることはとても大切。物質の蓄積 ではなく、人と自然を中心にした世界をどう創っていくのか。」ドゥルガーは、私たち一 人ひとりの中にあるさまざまな力に目を向け、それを持ち寄るようにと促しています。 いま私たちは、気候危機や人権の問題など、複数の課題に同時に向き合っています。だか らこそ必要なのは、一人の力ではなく、集合的で創造的な応答です。ドゥルガーや自然そ のものと同じように、私たちの力は、集合的に存在し、さまざまな形を持っています。自 分の強さとは何だろう。そして、自分の中や、周りの人たちの中に、まだ気づいていない 強さはないだろうか。変化は、たった一度の出来事や、ひとつのきっかけ、ひとつの行動 から生まれるものではありません。それは、いくつもの行動が重なり合い、コミュニティ が共に、そして並行して動き続ける中で、共通の目的へと向かって育まれていくもので す。ローザ・パークスやアンジェラ・デイヴィス、ジュリア・バタフライ・ヒル、グレタ・ トゥーンベリのような個々の活動家に目を向けるとき、私たちは知らず知らずのうちに、 彼ら一人ひとりの背後に、数多くの組織や支援、道具、そしてネットワークが共に存在し ていたことを見落としてしまうかもしれません。「深い不正があるところには、必ず創造 的な抵抗が生まれる。」 ‒ Mariame Kaba
女神ナヴァドゥルガーの九つの側面は、霊的探求者が解放へと向かう道そのものを表して います。彼女は、インスピレーションの女神シャイラプトリー、忍耐のブラフマチャーリ ニー、献身的な実践のチャンドラガンタ、創造的な拡張エネルギーのクシュマンダー、浄 化のスカンダマーター、勇気とエネルギーのカーティヤーヤニー、識別力のカーララート リー、満足のマハーガウリー、そして最終的な解放と成就をもたらすシッディダートリー として現れます。変容は一瞬で起こるものではありません。実践は段階を通して少しずつ 展開し、その時々で異なるスキルやエネルギー、資質が求められます。また、霊的な実践 やコミュニティでの活動を通して、これまで気づかなかった自分自身の側面や強さが自然 と現れてくることもあるでしょう。実践者として、そして行動する者として、私たちはあ るときにはエネルギーを、またあるときには休息を、あるときには粘り強さや識別力、シ ンプルさや創造性を必要としながら、道を進んでいきます。

