今月のテーマ

Tribes of the Future 未来のトライブ

atha yoga-anuśasanam アタヨガヌシャーサナム
これが今、私がナチュラルワールドにおいてヨガとみなしていることである。
パタンジャリのヨガスートラ1章1節

何が本当で、何が真実でしょうか? ケン・ウィルバー氏は、“トランプとポスト真実(訳注:’ポスト真実 post-truth’とは客観的な事実が重視されず、感情的な訴えが政治的に影響を与える状況のこと)”というタイトルの洞察に満ちた著書でこう述べています:“もし実際に、本当に有名なポストモダン作家達すべてのメッセージを一言で集約するとしたらそれは、“真実はない”と言うことでしょう。
真実とは、むしろ社会的構造上のもので、誰もが“真実”と呼んできたものは単純に何処かのある文化がその一員を納得させる為のもの、それが真実であった。しかし、そこには実際に実在し、与えられた、本物の“真実”と呼ばれるようなものは無かったのです。
このような見解の結果と、私達が今生きるの現実世界の状況は、“普遍的な道徳的体制などはなく、あなたが真実と思うものはあなたにとっての真実であり、私が真実と思うことは私にとっての真実であり、このどちらの主張も、どんな抑圧される理由であれ反論されるべきではありません。普遍的な真実はないという普遍的な事実が、最も確実に、強く信じられています。そして虚無主義(ニヒリズム)と自己愛(ナルシシズム)だけが原動力として残ったのです。”

ウィルバー氏は、いつでも私のグルになっていただきたい方なのですが、彼はこの様な状況の対応策として二つの興味深いアイデアを提案してくれています。一つ目は、皆さんも実践されているかと思いますが、愛情深い親切な行動をすることです。二つ目は、自然とそのシステムをより深くに見つめることです。ウィルバー氏は全ての階級制度を圧迫的で悪い構造として拒否するより、“支配階級と成長階級”として分化することを提案しています。支配階級が抑圧的で支配的な反面、成長階級は排他的でも傲慢的でなく、包括的で統合的です。
ウィルバー氏の主張は、全ての階級制度が悪いもので廃止されるべきと言うわけではありません。事実、自然界での階級制度は “超越し包括する、又は分化し統合する” といった成長と発達がベースとなっています。
“たとえば、接合子の単細胞はまず2つの細胞に分裂し、その次は4、その次は8、その次は16、そして32…などと続き、そして、新しく分化された細胞が生まれたら、それらは調和的な組織へと統合されていきます。神経組織、筋肉組織、消化器…などは、新しく分化された細胞が有機体全体に統合されたまとまりなのです。つまり、成長過程の各段階は、その前の段階を超え(又は超越し)ますが、しかしそれはまた、分化と統合により、包括されたり巻きこまれたりしていきます。

ポストモダンのヨガ世界において、自身がエゴと戦い、また崇高に見られようと自身が奮闘したりしていることに気づくでしょう、そしてその奮闘の中で前述した階級的で圧迫的な全てを拒絶しようとする自分自身にも気づくでしょう。近年、ヨガの伝統はグルや先生が生徒をコントロールしたり職権を乱用したりするという支配構造に数多くの批判が置かれています。
パラムパラ、または、先生と教えの系統とは成長階級であり、我々の未来の成長と発達のため、その教えと先生を分化し統合する必要があります。過去を拒絶するよりそれをより大きな有機体として包む必要があります。生徒が全体の一部になることを拒絶すると、成長が出来なくなります。このことを具体的に理解するためには、微小分子が分子の一部になることを拒むことを思い浮かべると良いでしょう。
私達が今していることは次に起こることを決定づけますが、時々、私たちは今までどこにいて、今どこにいるのか、そしてそれがどこに導くのかを見失いがちです。ジヴァムクティヨガトライブが世界と信じる事の出来る明るい未来に向かって行なってきた素晴らしい貢献を考えると、それは私達に希望とエネルギーを与えてくれます。

ここに、ジバムクティヨガの貢献のショートリストがあります。ビーガニズムと動物の権利をヨガの授業中の重要な話題としました。神様に献上するものであったヨガを今風でヒップなものとしました。ヨガの授業に音楽、詩、そしてアートを取り入れてより楽しいものにしました。初めて世界水準のヨガトレーニングプログラムを作りました。ヨガのトレーニングに於いて、バクティー、瞑想、そしてサンスクリット語の勉強を必須としました。世の中を変革するための行動や団体をサポートするためにアヒムサな食べ物や製品、本、そしてビデオなどをつくって協力しました。自然界でのより良い環境、より良い政府、そしてより良い生活を実現するために戦うアクティビスト達を後押ししました。
実際、私のリストはもっと長いのですが、多分、その続きはあなた自身でこのリストに自分の貢献を足していってください。私達が地球上で新しく、もっと思いやりのある存在に進化する人類の成長のトップランナーなら、私達の高貴な貢献は新しいパラダイムを生み、新しい神経組織、新しい有機体、そして新たなトライブとしての巻きこむ事ができるでしょう。

By David Life  翻訳 Heeki

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