Vinyasa Krama 2010.2

kshana-tat-kramayoh samyamad vivekajam jnanam (YS III.53)

サンヤマ-同時的な精神の集中、瞑想とサマディ-によって、分割できない時間の連続、過去、現在、未来は、対象物からなる世界の自然と共に、同時的なものとして認識されます。

ヨギとは急進的なのです。私たちの悟り-永遠の幸福-を求める探求において、私たちは、現実世界の真なる自然を探求し、究極的にはそれを認識できるようになるために、文化的な縛りから解き放たれることを求めています。vinyasa kramaはこの悟りへ向けた努力において私たちの助けになるのです。vinyasaという言葉は二つの言葉から成り立っています。viは“順序”、nyasaは“配置”です。そしてkramaという言葉は“始まりから終わりまで途切れのない連続”を意味します。故に全体の意味は“順番通りに配置された出来事の流れ”です。vinyasa kramaは通常、vinyasaと短くされ、呼吸と意志によってつなげられる、流れるようなアサナの連続として言及されています。

私たちが世界について普通考えるがちな見方とは異なり、世界は変化の過程なのであり(事物の集合体ではなく)、全ての命ある存在と命なき事物は宇宙において常に変化しているのです。連続した変化は常に起きているのですが、しかし普通私たちにとって、その連続性は意識されず、私たちはそれに気づいていないのです。私たちの大多数は、客観的な現実を、主観的な現実よりもリアルなものと考えています。そして人生におけるエネルギーのほとんどを新しい対象をつかみ取るか、物質化された全ての事物が徐々に腐敗するのを止めるために費やしているのです。私たちが変化のプロセスに意識を向けるとき、にもかかわらず逆に、私たちは過去と未来について良く分かるようになるのです。なぜなら、過去と未来は現在において連続して経験されており、そして意図することにより、私たちは変化の連続性を全ての存在の利益へと向けることができるのです。これが悟りの境地です。

vinyasaにおいて、私たちは数々のアサナを始まりから終わりまで継続した一つの動作として練習します。ポーズ(アサナ)に入る、あるいは出る全ての動作は吸う呼吸か吐く呼吸に結びつけられ、そして意図-アサナの練習をする基礎となる理由-は動作を前進させるのです。ここに、vinyasaの練習に対するいくつかの重要なガイドラインを示します。

吸う息と吐く息は同じ長さで、同じだけの量の空気を扱います。ウジャイ呼吸は(呼吸音を意識的に出すことで)呼吸を聞き取れるものとし、かつ統制しやすくします。呼吸にはどんなときでも、中断や息を止める動作があってはいけません。全ての吸う呼吸の終わりは、吐く呼吸の始まりへと流れていきます。そして逆も同じです。呼吸はこのような方法で注意力を養う道具となるのです。呼吸の質は、ポーズやポーズの変遷における心の質へと反映されます。呼吸が、喜びへの愛着や苦痛や不快なことへの嫌悪に影響されない質を持つに至ったとき、心も同じ質を持つようになるのです。

呼吸と同じように、動作の間にも休止や停止があってはいけません。アサナに入る、あるいは出る時の移り変わりは、それにリンクしている吸う呼吸か吐く呼吸と同様に同じだけの時間で行われなければならず、それ以上でもそれ以下でもありません。それが意味することは、シンプルな動作は普通よりもゆっくりと動く必要あり、より複雑な動きは普通よりも素早く動く必要があるということです。ひとつの動作を完遂したら(同時に吸う呼吸か吐く呼吸が完遂します。)、すぐに次の動作が始まります。それによりvinyasaの練習は継ぎ目なく流れるのです。

ムラバンダは練習の間中、働かせているべきです。それは私たちの意識を世俗からスピリチュアルな方向へ向けさせ、私たちのvinyasa kramaあるいはヨーガを練習する意図を思い出させてくれます。

Vinyasaの練習を正しく行うことで、私たちは世界を対象の集合体と見なしたり、人生を個別の出来事の連続であるかのように見なす因習を打ち破ることができるのです。それは、いつも動き続け、変わり続け、曲線をえがく自然の動きを模倣することです。自然界の出来事はただ単純に起きるのではありません。それは展開し、発展するのです。つまり、私たちは、vinyasaの練習において、ムラだらけで硬直した形で、前屈を“して“、それから上向きの犬のポーズを”して“、下向きの犬のポーズを”する“のではありません。それよりもそれぞれのアサナは次のアサナへ展開するようにしましょう。種が芽を出し、つぼみを付け、花が咲き、そして土に帰って、次の世代の栄養となるように。それぞれのアサナ、変化の連続が、呼吸と明確な意図とまとめ上げられるとき、私たちは自らを宇宙の絶え間のない流れ、波打つリズムに調和させることができるのです。
-Sharon Gannon
日本語訳 AKKIE

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